武井壮さんがご自身のフェイスブックのコメント欄で、条件とか関係なくタイムを出せるヤツは出せる、的なお話をされています。
はたしてそうでしょうか?
さっそく、有名選手の個人記録を拝見しましょう。
記録は全て、Wikipediaからの引用です。
高橋尚子さん
マラソン全戦績
年月 | 大会 | 順位 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1997年1月 | 大阪国際女子マラソン | 7位 | 2時間31分32秒 | 初マラソン |
1998年3月 | 名古屋国際女子マラソン | 優勝 | 2時間25分48秒 | 日本最高記録(当時) |
1998年12月 | バンコク・アジア大会 | 優勝 | 2時間21分47秒 | アジア最高記録(世界歴代5位・当時)・大会最高記録 |
1999年8月 | 世界陸上競技選手権セビリア大会 | DNS | 記録なし | 故障により欠場 |
2000年3月 | 名古屋国際女子マラソン | 優勝 | 2時間22分19秒 | 大会記録 |
2000年9月 | シドニーオリンピック | 優勝 | 2時間23分14秒 | 金メダル獲得・五輪最高記録(当時) |
2001年9月 | ベルリンマラソン | 優勝 | 2時間19分46秒 | 世界最高記録(当時) |
2002年9月 | ベルリンマラソン | 優勝 | 2時間21分49秒 | マラソン6連覇(欠場除く) |
2003年11月 | 東京国際女子マラソン | 2位 | 2時間27分21秒 | |
2005年11月 | 東京国際女子マラソン | 優勝 | 2時間24分39秒 | |
2006年11月 | 東京国際女子マラソン | 3位 | 2時間31分22秒 | |
2008年3月 | 名古屋国際女子マラソン | 27位 | 2時間44分18秒 | 公式上現役最後のレース |
優勝時のタイムは、25分、21分、22分、23分、19分、21分、24分。
なるほど。速い人はタイムが安定していますね。2004年はなぜ選ばれなかったんでしたっけ?
気になる記事
この記事の話ですね。
シ ドニー五輪大会の後、高橋選手は国際的な大会を含め女子マラソン大会で6連勝していましたが、 2003年11月16日の東京国際では平凡なタイムで2位に終わりました。 東京国際の場合は気温が高くて向かい風であるなど、マラソンとしてのコンディションが悪く、そのことが高橋選手のタイムに響いたようです。
という記述も。逆に、
同年12月6日のバンコクアジア大会女子マラソンは、最高気温30度を超す高温多湿のレースとなったが、スタート直後から独り飛び出した高橋は、5kmラップを16分台のスプリットで刻むハイペースで突っ走り、中間点を1時間9分15秒[3] で通過、30kmまでは世界記録を更新するペースで進んでいた。30km以降は17分台のスプリットに落ちたものの、独走状態で2位とは13分以上の差をつけ、ゴール時気温32度、湿度90%の最悪な条件のなか、2時間21分47秒のアジア最高記録(当時)で優勝。自身の持つ日本最高記録を4分以上も更新して世界最高記録(当時)まで1分というところまで縮めた。
というWikipediaの話も。
野口みずきさん
フルマラソン
年月 | 大会 | 順位 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
2002年03月 | 名古屋国際女子マラソン | 優勝 | 2時間25分35秒 | 初マラソン |
2003年01月 | 大阪国際女子マラソン | 優勝 | 2時間21分18秒 | 大会記録、日本国内最高記録 |
2003年08月 | 世界陸上競技選手権パリ大会 | 2位 | 2時間24分14秒 | アテネ五輪内定 |
2004年08月 | アテネオリンピック | 優勝 | 2時間26分20秒 | 日本選手二人目の五輪女子マラソン優勝 |
2005年09月 | ベルリンマラソン | 優勝 | 2時間19分12秒 | 世界歴代3位(当時)、大会記録(当時)、アジア最高記録、日本最高記録 |
2007年11月 | 東京国際女子マラソン | 優勝 | 2時間21分37秒 | 大会記録 |
2008年08月 | 北京オリンピック | DNS | 記録なし | 故障により欠場 |
2012年03月 | 名古屋ウィメンズマラソン | 6位 | 2時間25分33秒 | |
2013年03月 | 名古屋ウィメンズマラソン | 3位 | 2時間24分05秒 | |
2013年08月 | 世界陸上競技選手権モスクワ大会 | DNF | 記録なし | 軽い熱中症により33Km付近でリタイア |
25分、21分、26分、19分、21分。
ふむふむ。優勝したときは安定していますね。2時間20分といえば、140分です。19~25分と言うことは、誤差が6分。6/140ということは、4%。誤差ということでいいでしょう。
とはいえ、速い選手が必ず速く走れるわけでもなく、ケガや棄権もあるわけです。
本来であれば、タイムで選ばれた選手が結果を残したか?を調べるべきなんです。
例えば、アテネオリンピック。
世界選手権大会で2位の野口みづき選手(2時間24分14秒)は選考基準(1)によって自動的にオリンピック代表に内定していました。 したがって問題は東京国際で2位の高橋尚子選手(2時間27分21秒)、大阪国際で優勝した坂本直子選手(2時間25分29秒)、 名古屋国際で優勝した土佐礼子選手(2時間23分57秒)の3人の中から選考基準(2)に基づいて2名を選ぶ点にありました。
トップタイムは、土佐礼子選手。
では、アテネオリンピックの結果は?
2004年08月 | アテネオリンピック女子マラソン | 5位 | 2時間28分44秒 | 五輪5位入賞 |
おぉ!5位!
野口さんは、2時間26分20秒なので、2分24秒早くて金メダルではありましたが…。
では、北京オリンピックは?
代表3人のうち、07年8月の世界陸上(大阪)で3位に入った土佐礼子が決定。残る2枠を東京、大阪、名古屋の3レースの結果から、順位、タイム、実績などを加味し野口みずき、 中村友梨が選考委員会で選出された。
土佐礼子さん 2時間30分55秒→故障により、25Km付近で途中棄権
野口みずきさん 2時間21分37秒→ケガで出場せず
中村友梨香さん 2時間25分51秒→2時間30分19秒
これはこれで、選考以前の問題でしょうか…。
速ければいいという訳でもなく…。
オリンピックに限れば、こうやってデータを積み重ねていくことで、武井壮さんの意見が正しいかどうかが分かってきます。単発で見れば、微妙ですが、統計は数がものを言います。最低でも、戦後とか1980年以降とか、ある程度の選考レースのタイムとオリンピックとの比較をしなければならないでしょう。
わたしはヒマではないのでそこまではできません。
どなたか、比較して、一覧表にしていただけないでしょうか?
とはいえ、最近のスピードレース的なのは2000年以降であるというなら、あとはシドニーだけですが(;´Д`)
bokeboke