のんびり生きてます/これから何をしましょうか?

「はやり」の波に乗ってみようと思っています。その挑戦と経過と結果を紹介しようと思っています。

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5俵の俵を背負えるか?少しだけ科学的な検討をしてみました。

 
 
 
2022年7月更新
酒田市の山居倉庫を再訪問しました。
 
展示物が修正されており、実際は5俵は一瞬チャレンジされたことがあるレベル、実際は2俵。無理を強いられたときで3俵を運搬、だったようです。
 
また、左の写真は1俵。つまり、1〜2が基本で、どうしてもというときは3俵。
 
5俵は一瞬チャレンジとのことでした。
 
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写真の通りです。
 
実際に運んでいたのは、多くて2俵。無理して3俵だったそうです。
 
2俵が本当に120kgである程度の距離を歩いていたとすれば、それはそれで大変ですが、本当は30kgを2俵ではないか、と疑問に思っています。いくら昔の人が鍛えていたとしても、120kgを1000俵。つまり、500回も歩き続けなければならず、仮に100mとしても、50000m、つまり、総距離50kmということになります。
 
現実的に、100往復できるとして、500人が必要です。
 
ここまで来ると、現実味が帯びてきます。
 
★追記はここまで。
 
 
山形県酒田市での、米俵5つ=300kgを、昭和14年当時の女性2名がそれぞれ同時に担いでいるお話。
 
さらに、鈴木みなとさん、という方がそのお一人だという情報。
 
現実的に考えると、ありえなさそう。
 
かといって、やってるからやったんだ!できる!
 
でも、それらじゃダメなんです。
 
ちなみに、前回の記事はこちらです。
 
よかったら、右クリックやタップしっぱなしを使って、別ウィンドウでご覧下さい。
 
 
 

個人的な考え(思想?)

わたしは、私たちが生活してる範囲では、ニュートン力学で全ては片付けられると思っています。
 
 
コメントでご紹介いただいている本のような、体の使い方で想像以上の力を発揮する、というのは、やったことがない無知な人が勝手な限界を設定して、物理法則を考えずに超人的なことが起きてる!と勘違いしてるだけに思います。
 
逆に、この本の語り部さんは、科学をたてにあり得ないと言う人をバカにしていて感心しません。
 
技術を駆使して無知な人を驚かせるだけではなくて、キチンと説明できるように努力してほしいものです。
 
魔法はありえまん。
 
あくまで1つの例えですが、棒の上におもりを載せると、普通に想像する重さを超える重さに耐えますが、ある一定以上になる断れることを科学的に【ざくつ】として認知されています。
 
 
折れるときは折れます。
 
骨を上手に組み合わせて(具体的に書けば、棒をまっすぐに組み合わせて、筋力をバランスをとることと体をまっすぐすることだけに集中して)やることで、筋力の上限は超えるでしょう。
 
そんなことは、分かった上での疑問への挑戦です。
 
 
 
こういう疑問は、数字で示すのが一番です。
 
概算にはなっちゃいますけど、計算します。
 
 
 

300kg肯定派の方へ

300kgの俵かつぎを肯定される方も、是非科学的に証明して下さい。
 
  • 有名
  • 名前が出ている
  • 場所が特定されている
  • 写真が残っている
  • ごまかしようがなかった
では、証明にはなりません。
 
最低限、数字で証明するか、体で証明して下さい!
 
是非、よろしくお願いします!!!
 
やってくれる女子、いるのかな…。

 

疑問に思う点

  1. ロープは食い込まないの?指は痛くない?
  2. 背中は痛くないの?
  3. 後ろに倒れないの?
  4. 300kgで体が壊れないの?
詳しいことはネットで調べながら計算してみましょう。
 
情報があれば良いんですが…。
 
 

実際にかかる力は?

こちらは原寸大の模型のようです。俵の配置、体の角度が分かりやすいですが、実際に持ち上げている模型や写真ではないので、この姿勢を使用しないこととします。
 
 
 
一番有名なのが、こちらの写真。山形県酒田市の観光地しても有名な倉庫の資料です。
 
いちおう、これをベースに話を進める予定です。
 
そして、最後に、鈴木さんの写真です。
 
今回、ネットで探して検索に引っかかったんですが、かなり前傾です。
 
有名な写真と比べると、かなり前傾です。
 
また、背中に当て物も見えますし、積み方も違います。
 
有名な写真は、背中に横向きに2つ積んだ上に、潜水のボンベを背負うように縦に2つ積んで、最後に1つを縦に積んでます。
 
この違いが前傾の角度に効いているような気がします…気がするだけですよ。
 
改めて見ると、本当に立ってます。
 
 
 
では、ここから計算に入ります。
 
 

モデル化(簡単に考えられるようにする)

 

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●が俵
赤が体
青が当てもの
緑がロープです。
 
 
左を①、右を②、とします。
 
 
布と皮膚の摩擦係数が、およそ0.5~0.8程度とのことで、0.65で検討します。
背中に垂直にかかる力が摩擦力にかかるところ。
背中に平行にかかる力が落下を防止する力で、ロープにかかる力の算出に使います。
 

①の場合

鉛直 300×cos48°=200kgf
平行 300×sin48°=222kgf
背中にのしかかるのが200kg。そして、滑り落ちようとする力が222kg。
200kg×0.65=130kgが摩擦で支えられていますから、
滑り落ちようとする力は、222-130=92kgです。
 
ロープにかかる力は、これにsin38°で、約56kgです。
 

②の場合

鉛直 300×cos20°=281kgf
平行 300×sin20°=102kgf
 
背中にのしかかるのが281kg。そして、滑り落ちようとする力が102kg。
そして、281kg×0.65=183kgが摩擦で支えられていますから、
滑り落ちようとする力は、102-183=-91kgです。
つまり、載せているだけで、ロープは効いていない、滑り落ちない角度だ、ということです。
 
 

ロープは食い込まないの?指は痛くない?

上の計算で計算されちゃいました(^◇^;)
 
さらに、写真をよく見ると、これは【背中に乗せている】でも【背中にぶら下げている】でもなく、
 
背負子に載せている!!!
 

4travel.jp

 

 背負子に載せているので、滑り落ちる力は両肩で支えていると言えることになります。
 
また、幅のある、今の時代だと、エルゴベビーのようなベルト?で保護されているとなれば、ロープはちょっとしたバランス用、と考えることもかのうです。
 
あくまでも、背中への負荷と、バランスをとるための負荷とは別としてですが、両肩への56kgの負荷なら現実的に思えます。
 
 
大人一人が肩を思いっきり引っ張ることは生活の中ではありませんが、自動車のベルトは体重の何倍もの衝撃にも耐えられること、そして人にも影響がないことを踏まえて…。
 
この件はパス!です。
 
 

 

背中は痛くないの?

個人的には、ロープが体に食い込むのが一番の問題だと思っていたんですが、検討していく内に背中への負荷が一番だと分かりました。
 
鉛直 300×cos20°=281kgf
平行 300×sin48°=102kgf
つまり、背中を押さえつけられる重さが281kg、背中にぶら下がる力が102kgです。

 

http://www.tm.hum.titech.ac.jp/Basic_Biomechanics/13.pdf

 

皮膚の引っ張り強度は、8MPa。

残念ながら、背中を押さえつけられる=圧縮については分かりません…。

 

さて、次の必要なのは、背中の皮膚の厚さです。

ここでは、あくまで1点集中で力がかかったとします。

 

背中の皮膚の厚さを5mmと仮定。

皮膚の構造と機能 ~構造~

 

背負子の大きさは、目測から25cmの幅で計算します。

 

皮膚の断面積は、

0.005×0.25=0.00125m2

 

かかる力は、①で222kg、②で102kgです。

 

①222×9.8/0.00125=1.74MPa

②102×9.8/0.00125=0.80MPa

 

となって、条件の厳しい①でも限界値8MPaの22%です。

もちろん、これは25cmの線で接した場合の計算なので、広い面積で分散すればもっと軽減されます。そして、背負子のバンドがあるおかげでさらに負荷が軽減することも考えられます。

 

現実的には可能性はあるようです。

この件はパス!

 


後ろに倒れないの?

一番上の図のとおり、俵の重心位置を足に合わせれば倒れることはありません。
この件はパス!です。
 


300kgで体が壊れないの?

 Wikipedia情報で、500kgが物理的な限界とされています。
 

あくまで物理的な限界ですが、あの写真からするとありえるのかも。

 

一番の問題は、お尻から足、つまり、脚の付け根の関節、膝の関節、足首の関節など、各関節の強度です。

 

ネットでは見つけられませんでした。


520kgを立ち上がるまで持ち上げる、っていう力持ちの人がいたので、300kgを載せるだけ、なら現実的に ありえることになります。


【世界一の怪力!!】520kgのバーベルを持ち上げる超人【ギネス世界記録】 - YouTube

 

 この件はパス!
 
 

最後に

あの古い写真だと情報が不足して確認ができなかったのですが、ネットに載せられている写真から情報を集めて、背負子を使ってるから大人なら背負うことも可能なことが机上の空論としては分かりました。
 
あの女性が怪力なのではなくて、もしかすると当たり前のことなのかもしれません。
 
今の時代ですから、女性の模型の横に置かれているお試し用の俵を、背負子が付いた300kgの荷物にして、落下防止がキチンとする。健康な大人なら『結構キツかったけど、できるもんだね!』ってなる可能性が十分あります。そうなると、この施設を誰も見向きしなくなるかもしれませんね( ̄。 ̄;)
 

 

ともあれ、科学的に、概算ではありますが、俵5俵=300kgを背負子を使って背負うことは可能である、といたします。

 

肯定派の方、ぜひ、各関節の強度だったり、実際に300kgの荷物を背負って、ブログをアップして下さい。

 

よろしくお願いしますm(__)m

 

また、約1年前の前回のブログは、摩擦係数を無視していたので、俵が背中の上を滑り落ちようとして、それをロープで支えているから、ロープが300kgで引っ張られて、そんなの耐えられない、という仮説でした。これは、背負子を使っていてロープへの負荷は軽い、という結論に訂正します。大変失礼いたしました。ごめんなさい。

 

 
ちなみに、残っている問題点は
  • 本当に300kg有ったか
です。残念ながら、これは今日現在のネットの情報だけでは解決できません。
 
ぜひ、証拠を出すか、実際にやってみ欲しいです…。
 
わたしはできないので…。
 
 
追記
新たな疑問点が思いついたのです、それはまた後日記事にします。
 
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