2017年仙台市長選挙の真実は?
友人が見つけてくれた分析。
— 林ひろき(林宙紀) (@linkspace) 2017年7月25日
これが完璧に正しいとは言わないまでも、少し救われた気分にはなるなあ。https://t.co/0Tp3vM7EMw
先日の宮城県仙台市長選挙で落選した林候補者のツイッター。そして、その内容。本当に合ってるのかな?と疑問に思ったので、各データを洗い出します。
①先日の仙台市長選、マスコミの報道とは裏腹に実は野党共闘実質惨敗、既存政党が見限られたという象徴的な選挙結果で、真面目に選挙分析したら選対関係者真っ青な展開…だったんだけど、なんかあいかわらずそういった報道や識者の分析は出てないのね。なので、連投TWで忘れないうちに解説する。(続
— 青木文鷹@日曜R17a・大将軍神社研究会 (@FumiHawk) 2017年7月24日
②なぜ、野党共闘が実質惨敗で、自公も含めた既存政党が見限られたって結論になるかというと、今回の仙台市長選は「各政党のコアな支持者層がほぼ投票者の中心で、しかもその支持者層からも離反者が出ている」という点。浮動票が極めて少なく、無党派層は投票に行かなかった+野党支持者の造反。(続
— 青木文鷹@日曜R17a・大将軍神社研究会 (@FumiHawk) 2017年7月24日
③仙台市長選過去データによると、平成17年自公推薦で当選の梅原克彦氏は約14万1千票。平成21年に民・社推薦で当選した奥山恵美子氏は約16万1千票。平成25年は奥山氏再選で約18万1千票。この回は自公候補者はおらず、対立候補は共産・角野氏のみ約6万2千票、投票率30.11%。(続
— 青木文鷹@日曜R17a・大将軍神社研究会 (@FumiHawk) 2017年7月24日
④さて前のTW見て分かるように仙台市長選は「自公推薦で14万票」「野党共闘(野党+共産)で22万票(16万+6万)」というのが基本的な持ち票。今回投票率は44.52%…ほぼ前回の5割増し。自公にとっては14万票から、野党共闘は22万票からどれだけ上積めるかが重要になってくる。(続
— 青木文鷹@日曜R17a・大将軍神社研究会 (@FumiHawk) 2017年7月24日
⑤最終的な結果は、野党共闘候補の郡和子氏が当選。ここで得票を見てみると「郡和子氏=約16万5千票」「菅原裕典(自公推薦)=約14万9千票」という結果。自公推薦の菅原は前TWの基礎票の読みとほぼドンピシャ。一方、野党共闘の郡氏は…なんと持ち票から6万票近く減らしてギリギリ当選。(続
— 青木文鷹@日曜R17a・大将軍神社研究会 (@FumiHawk) 2017年7月24日
⑥もはや野党共闘が効果を持たなくなりつつある事が分かる。相対的に自公推薦候補を上回ったが、もはや盤石とは言えない薄氷の勝利。支持基盤の層からも見放されつつあることが明確に分かる。一方の自公も喜んでいられない。想定通りの得票と言うことは、無党派層に見捨てられてるということ。(続
— 青木文鷹@日曜R17a・大将軍神社研究会 (@FumiHawk) 2017年7月24日
⑦投票率増加に伴って増えた票は約13万5千票、自公推薦の菅原氏の得票とほぼ同じ。つまり、今回の投票率増加は「前回棄権していた自公の持ち票が投票に動いただけ」ということ。野党共闘の支持層が6万票近く減らしているが、自公はこれを取り込む事ができず、旧来通りの組織票中心で戦った。(続
— 青木文鷹@日曜R17a・大将軍神社研究会 (@FumiHawk) 2017年7月24日
⑧節操ない野党共闘に呆れて野党や共産党を見限った票は、39才と若い林氏に流れた(獲得票数約6万2千票)。つまり今回の選挙を総括すると「既存政党が有権者から見放されつつある」「既存の色のついていない若い力(受け皿)が出てくれば、既存政党がぶっ壊れる可能性が見えた」ということ。(続
— 青木文鷹@日曜R17a・大将軍神社研究会 (@FumiHawk) 2017年7月24日
⑨前TWで指摘した動きは、まさにトランプ米大統領やマクロン仏大統領を生み、ブリグジットの国民投票が成立した「有権者の既存政治への怒りの発露」の流れそのもの。米や仏と日本の相違点ただ一つ「若者が世の中を変えられるということに気がついてないこと」だけ。潮目は確実に変わりつつある。(終
— 青木文鷹@日曜R17a・大将軍神社研究会 (@FumiHawk) 2017年7月24日
⑩おまけ:既存政党見限った6万票の受け皿になった「林宙紀」氏、実は元みん党支部長→民進党支部長→党の公認方針と対立し離党→無所属で出馬。こういう経歴でも「圧倒的な若さ(39才)」で浮動票のない選挙なのに6万票も切り崩すことができる。完全に潮目が変わったと考えるべき。
— 青木文鷹@日曜R17a・大将軍神社研究会 (@FumiHawk) 2017年7月24日
過去の市長選の結果
4年前の2013年 現職奥山市長と共産党の一騎打ち。
8年前の2009年 乱立の中、野党候補の奥山市長が当選。
12年前の2005年 梅原市長
それ以前のデータは、宮城県の仙台選挙管理委員会には保存されていませんでした。
調べるのは、
- 各年の候補者への投票数、支援する政党の各得票数の割合
- 年ごとの傾向
- 投票数
- 投票率
ですね。
1.各年の候補者への投票数、支援する政党の各得票数の割合
2.年ごとの傾向
3.投票数
4.投票率
まとめてこちら。
各党が持っている数(約39万とした場合)、そして得票する割合は、
くらいでしょうか。似ているのが、平成21年の39万票、平成17年の34万票なので、近い21年を参考にすると、その他はおおよそ6.5万票です。
先のツイートで、野党16万+共産6万の「共産6万」は、現実的じゃない気がします。
平成27年の仙台市議会選挙では(左が共産、右が有効投票数)、
青葉区 5,999/81,968
宮城野区 5,824/49,086
若林区 7,163/36,414
太白区 5,569.044+4,458=10027/67,208
泉区 8,150/64,394
合計 37163
ですから、多く見積もっても、共産党は4万人の得票が現実的です。変更すると、
考察
結果論ですけど、
と考えると、
- 自民公明→菅原(14.9万、順当より9000多め)
- 野党と共産党で21万→郡(16.5、4.5万を失う)
- 浮動票4万→林(6.2、浮動票+2.2万は自民の増加9000より多い、健闘した。)・大久保(0.9)
というのは、おおよそ以前からの流れどおり、とも言えます。
先に引用したツイッターの「⑦投票率増加に伴って増えた票は約13万5千票」ですが、もともとそんな票は存在しません。それは、平成17年度の自民公明14万票が物語っています。考え方としては、
- 自民党は14万でほぼ昔のまま。+9000。
- 増えた13.5万は、全体的に減ったものと考えたほうが自然。平成25年度が特殊なので別物と考えるべき。
- 民進党など野党+共産は、16+4万=20万行きたかったが、問題あって16.5万。減ったのは3.5万。
- 共産6万(平成25年度市長選から)は言い過ぎ。特殊。市議選を元に考えると3.5~4万くらい。
- 残り、浮動票4+3.6万を、林さん6万、大久保さん1万で分け合った形。既成政党から抜けてきた6万を一手に引き受けたわけではない。
でしょう。
できれば、色が出やすい、党が書いてる市議選からの分析のほうがはっきりしますけど、それはまた余裕のある時にでも。
bokeboke