のんびり生きてます/これから何をしましょうか?

「はやり」の波に乗ってみようと思っています。その挑戦と経過と結果を紹介しようと思っています。

★スポンサー

【検証】トヨタGR AERO STABILIZING BODY COATは、本当に空力改善されるのか?

toyotagazooracing.com

 

megalodon.jp

 

エアロスタビライジグボディコート。

 

空気を安定させるコーティングです。

 

が、ワンインチパンチの可能性に言及し、俵五俵の現実性を、適当に計算した私が、本当にそんなことが起こりえるのか、確認してみます。

 

効果

帯電防止効果、ボディで約1ヶ月弱。ガラスで約1ヶ月。

帯電防止による操作性の向上は、三角グラフで、一般的なコーティング商品で1か2、GRエアロスタビライジングボディコートでは9と言ったところ。そもそも、この三角のレベルはどんなレベルなのか、全く意味不明です。

 

表面に塗るだけで空気の流れを整流し、
ボディ形状が本来持っている空力特性を一層発揮させる
GRエアロスタビライジングコートシリーズ。

 

原理は書かれています。

空気が+に帯電、ボディやガラスも+。空気の流れを乱す方向に静電気の力が働くそうです。ボディ、ガラス側を帯電させないことにより、その影響を抑えて理想の空力環境へ近づけるそうです。

 

上面から見た車の絵ですが、空気の流れが車の近くを通っているんですが、メリットのイメージが点線、施工時の空気の流れが太い赤線。全くもって、意味不明です。

 

最後に、操作に対する車両応答に対して、ハンドルの角度が9度くらいまでは恐らく車の角度のことだと思いますが、1秒当たりの角度変化が緩く、9度を超えると急に曲がり始める、という結果。ただ、本当にこれが行われたのかも不明です。使った車種、場所、条件など、何も書かれていません。

 

さらに、効果として

  • ライントレース性の向上
  • アンジュレーションのリ越路の安定性
  • スムーズなS字切り返し
  • ヘビーブレーキング時の車両姿勢の安定
  • ピッチングの抑制
  • 車線変更時の揺れ残りを抑制
  • ステアリング操作初期の応答性向上
  • 少し足回りが固めになった感覚を味わえるスポーティーなフィーリング!

が明記されています。塗ることで、空力が改善され、さらに感じ取るができるなら、明確にダウンフォースや走行時の空気抵抗に変化が出るはずです。しかし、そういった明確な条件下での数値は一切表示されていません。

 

ちなみに、トヨタの公式動画が存在しますが、笑えるほどにわざとらしい動きの違いを発生させています。それをご紹介します。動画を見れば、車が暴れるのは当然です。条件を合わせず、そして、わざとそうしているからです。

 

「コーティングが効いているから、ステアリングを切らなくて済んでいる」ではありません。理由は下に書きます。根本的に「物理法則には逆らえない」ということです。

 

進入

速度の差は7km/h

つまり、コーティング無しは、暴走モードです。

f:id:bokeboke_chan:20210407223034p:plain

f:id:bokeboke_chan:20210407223047p:plain

 

 

右に切って進入

コーティング無しは75km/hでブレーキングしながら進入。

コーティング有りは8km/h遅く、縦G無しで進入。すでに横G0.6ほど。

つまり、コーティング無しは、暴走モードです。

f:id:bokeboke_chan:20210407223154p:plain

f:id:bokeboke_chan:20210407223157p:plain

 

切り返し

車を左に向けています。

コーティング無しは、横Gは0.7か0.8.ハンドルをめちゃくちゃ回しています。

コーティング有りは、横Gは1G。ハンドルを切っていません。

 

これを、「効果によって角度が小さくてよい」と判断する人はいないでしょう。一つ上の写真を見てもらえばわかりますが、コーティング無しはブレーキングドリフトからスタートしていますので、すでに曲がらなくなっているので、無理やり左に向けている途中です。

元々、コーティング無しは、暴走モードです。

f:id:bokeboke_chan:20210407223358p:plain

f:id:bokeboke_chan:20210407223403p:plain

 

次の右への切り替えし

仮に、一つ上の状態がコーティングによる車体の安定だとしたら、ここでのコーティング無しの状況はあり得ません。

コーティング無しでは、左コーナリング状態が残った状態で、そのまま右に向けようと急に大きくハンドルを右に切っています。

コーティング有りでは、角度がすごく浅いです。すでに右コーナリングに入っています。

 

コーティング無しでGが移動していないので、コーナリングを間に合わせるにはハンドルを切り遅らせることで、右に大きく切らなければなりません。

 

動画を並べて同時に動かせばわかりますが、コーティング無しは、最初から無理やりドリフト状態に入れようと暴走突っ込みして、右への切り返しは特にわざとらしいハンドリングを確認できます。↓↓↓↓↓

 

f:id:bokeboke_chan:20210407223711p:plainf:id:bokeboke_chan:20210407223706p:plain

 

 

ちなみに、ネット上では「特許を取っている」とのことでしたが、調べた範囲ではコーティングやアルミテープのみでの特許は取られている情報を見つけられませんでした。

 

トヨタで帯電除去装置はありますが、プラズマを発生する機械に加えて、透明なコーティングと導通させることで帯電除去できる、というものはありましたが、それは電気的に強制的に帯電除去させる装置のようなので、別物のようでした。詳しい方、ぜひコメントお願いします。

 

条件

ということで、まっとうな製品ではなさそうなため、実際にどれくらいの効果があるのか計算してみます。

 

富士スピードウェイにて、プロドライバーの大井貴之選手が地震の動画で0.3秒タイムアップした、ということでした。空力で0.3秒のタイムを稼ぐ場合に、エンジンパワーとして稼いだ場合にどれくらいになるか、確認します。本来なら、静的にでも計算したいところですが、精神的余裕がないので、グランツーリスモスポーツで大雑把に確認です。

 

ちなみに、大井選手のタイムアップは2分12秒111から2分11秒760で0.321秒アップです。

 


www.youtube.com

 

そもそも、プロとは言え、132秒のうち0.3秒(0.2%)は誤差なのかどうか、という疑問もあります。

 

supergt.net

 

スーパーGTの予選、トップグループのGRスープラでさえ、最速の2つのタイムを比べても1'26.386と1'26.790で0.4秒ほどの差があります。同じ車でも、別のチームでもです。つまり、ポールポジションを狙っている方々でさえ、富士スピードウェイでは0.4秒ほどの誤差が発生していてもおかしくないということです。

 

 

 0.336 1'26.722  1'26.386
 0.318 1'27.071 1'26.753
 0.051 1'26.790 1'26.841
 0.007 1'27.046 1'27.039

 

  これも心に置いておいてください。 さて、話は変わりまして、直線での空力。直線で安定性が上がる、滑らかに走れるようになるとします。 あくまで私がプロのチューナーさんに聞いた話ですが、人が馬力変化が分かるのは10馬力くらいから。 つまり、空気を整流するのであれば、コーナリングの安定性が向上しつつ、直線でも抵抗が減るんじゃ無かろうかと思いまして。

 

 ただ、上で紹介した大井選手の車はリミッターが効いていますので、 0-180km/hを10馬力差で実施した場合、富士スピードウェイの直線でどれくらいさが出るか? をやってみました。 使用する車は、86GT-Limited’16。タイヤはコンフォートソフトです。トルクコントロールは2。後はATでお任せです。スタートラインは最終コーナーを抜けた左のコーン。ゴールは180km/hです。ちなみに、最終コーナーをゆっくり回ると70km/hなので、こちらから180km/hでも試してみました。

 

ノーマル    207馬力 0→180 25.0秒 70→180 20.0秒

10馬力アップ  217馬力 0→180 23.7秒 70→180 18.6秒

0→180で約1.3秒、70→180で約1.4秒

 

 なぜこんなに差が開いたのかは分かりませんが、後半区間でほぼ同じ差がついていることが分かります。 つまり、普通に走っていて、空力に違いがあると分かるほど速ければ、180km/hのリミッターが効いていたとしても、富士スピードウェイのホームストレートを1秒以上速く走れるようになります。 

 

もちろん、速く走れるとは書かれていません。しかし、整流すると言うことで車が安定するなら、理想の空気の流れに近づき、理想のダウンフォースと抵抗を発揮できるようになるんじゃないでしょうか。 つまり、コーナリングでも安定するとなると、タイヤの摩耗も抑えられ、タイヤの接地も確実な物となり、コーナリングも速くなる。つまり、1.4秒どころか、コーナリングするたびにタイムが削れることになるはずです。 ところが、0.3秒しかタイムアップしていない。お試ししたプロじゃない方々は体感できていないんです。 

  • ライントレース性の向上
  • アンジュレーションのリ越路の安定性
  • スムーズなS字切り返し
  • ヘビーブレーキング時の車両姿勢の安定
  • ピッチングの抑制
  • 車線変更時の揺れ残りを抑制
  • ステアリング操作初期の応答性向上

全て、タイムアタックに効いてくると思うんですが、そうでもないようです。 プロが言ってるから間違いない、と鵜呑みにするのはどうかと思いますし、わたしがこういうグッズに長年だまされてきただけに、数値が書かれていない体感グッズは信じがたいというのが本音です。もちろん、数字が書かれていても、それなりの回数や正確性を出すだけの限られた条件、再現性のある中での検証が行われていない、『個人の感想です』な商品もNGです。 対策 トヨタは今すぐに、自前の施設で

  • 空力性能向上を計測し、公表する
  • 空気の流れを可視化し、変化した動画を公開する

くらいは実施してはどうでしょうか。 global.toyota megalodon.jp lexus.jp megalodon.jp 『現象には必ず理由がある』 現象が起きないのに自動車の挙動変化を感じることはあり得ません。挙動変化が起きているなら、必ず変化は起きている。 挙動変化が起きているのに気づかないことはあっても、挙動変化に気づいているのに挙動変化が起きていない、ということはあり得ません。それが物理です。 本当にその製品が正しいかをチェックする費用がないので私は検証できませんが、車の風洞実験をしてくださる方がいらっしゃれば、ぜひトヨタ86で計測をお願いします。 bokeboke