2024年8月30日に神奈川県茅ケ崎市のサザンビーチで開催された、歌手aikoのLove Like Aloha Vol.7。
台風10号の接近が遅れて、直撃予想は外れたものの、台風の影響で神奈川にも湿気が入り込んで大雨になっていました。
そこで、中止すべきだったというご意見がXに散見されました。
実は、私はその現場に行っていましたが、中止するような状況ではなかったです。これについては、主役のaikoさんも、ファンクラブのファンへの連絡の中で語られていますが、スタッフさんが安全を確認して開催決定になっています。
では、当時、どのような状況だったかを書いてみましょう。
前提条件
実は、aikoさんには、イベントを台風によって事前に延期した経歴があります。
中止すべきだった人たちは、このことが頭でいっぱいのようで、中止以外には考えられないようですが、今回とは状況が全く違います。
そして明日のライブは台風で延期になってしまいました。明日ライブに来てくれる予定やったみなさんごめんなさい。
— aiko official🥔 (@aiko_dochibi) 2022年9月18日
神様は次から次へと試練を与えるね。これ、乗り越えろって事よね。もっと頑張れって事よね、そうじゃないと納得いかない悔しい。
この時の台風は、前日の18日から19日に移動し、ライブの前後で計画運休が始まる予定でした。よって、現地に早めに行ったとしても、帰られなくなると帰宅難民になります。それを避けるために延期されました。帰られない人が駅周辺で台風直撃に巻き込まれたりすれば、人命に関わります。それを避けるために、大阪の会場には来ないでくださいね、ということです。
熊本地震に胸を痛めて、熊本で無料ライブをやってくれた人が、近隣では水害や土砂崩れ、遠くでも台風で苦しむ人がいる状況で、この決断をしたというのが信じられないんよ。今までのaikoと今回の決断はあまりにも乖離しすぎていて、なんでこうなったんだろうってずっとモヤモヤしてる。
— 🥔 (@8_keee) 2024年9月1日
では、東京でライブがある際に、横浜で水害や土砂崩れ、遠くで台風で苦しんでいる人がいたら、aikoはライブをどんどん中止するんでしょうか?今までのaikoさんとの乖離とは、aikoさんの何を見てきたんでしょう?あまりにも飛躍した内容で驚きます。
2024年のLove Like Aloha Vol.7の中止をすべきとしている方々は、恐らくこれらを刷り込まれていて、「aikoは台風が来たら延期・中止する!危ない!」と思っているんじゃないでしょうか。
全く無関係な台風や災害が起きたとしても。今回のアロハが、まさにこれでした。
その1 開催>実際の判断はこうだった?
まず、大前提として、茅ヶ崎の当日の天気予報のご紹介。
ウェザーニュース、気象協会の2社の予報を見ていましたが、15時まではしっかり雨。16時からは少雨。ライブの2時間はウェザーニュースが雨、気象協会が曇り。ライブ後は小雨。翌日からしっかり雨。直前でウェザーニュースが曇り、気象協会がちょっと雨を入れたりしましたが、基本的には雨は小降りになる方向でした。こちらも危険性はありません。
風は、18時ごろについて、当初は5m/sほどの予想でしたが、17時の予報では2m/s程度に下がっていました。ライブ後は5m/s程度でしたが、この風速では危険性はありません。
波については、18時で2mから3m予報。現地に行くまでは分かりませんでしたが、海岸の波の端と観客エリアまでは十分に距離があって、波に襲われる、さらわれる可能性は全くありません。悪化する予報でしたが、距離が十分あることから、相当な高さがなければ危険性はありません。
つまり、天気予報上は、なにも危険度はありませんでした。
さて、現場の判断はこうだったんじゃないか?という内容をアップされている方がいらっしゃったので、ご紹介します。私はこの方のおっしゃる通りなんじゃないかと思っています。
万が一を想定するなら地震や津波の可能性だってある以上、Alohaなんて最初からできないじゃん。あなたのリスク許容度が限りなく低いのは勝手だけど、それはあなたの中でだけ通用する線引きなんだから、他人に振り翳しちゃ駄目よ。暴風圏外の地にとっては、ただの「雨天決行」の野外ライブですよ。
— who may be (@whomaybe) 2024年9月1日
リスク管理をするにあたり、地震、津波の可能性はありますが、これは逃げる準備をするしか対策がありません。雨天決行が決まっているライブですから、人が立っていられないような豪雨でもあれば別ですが、ライブが可能な雨量であれば決行です。
また、2022年の延期とは状況が異なり、現場が暴風圏内に突っ込む予定だった台風と、今回の遠く離れたところでの雨風とでは、条件が違います。
屋外で、という方もいらっしゃいますが、屋外であろうと屋内であろうと同じで、屋内ライブの人も帰るときには多少なりとも屋外に出ます。安全確認は同じく必要です。
その2 土砂災害警戒情報レベル3とは無縁の地
あの辺りで出てた警報とか避難勧告は土砂災害に対してでしょ?そりゃ山や崖が近い場所は、雨で地盤が緩んで土砂崩れのリスクがあるから危険だけど、砂浜海岸のライブだぜ?安全が優先されてないって言うけど、風も波も雷も予想されてないただの豪雨の海岸ライブに、どんな危険を想像してたの?
— who may be (@whomaybe) 2024年9月2日
実際に、茅ヶ崎駅から会場のサザンビーチまでは起伏のある丘になっていますが、崖はありません。土砂崩れのリスクがある部分はありません。
見てのとおり、茅ヶ崎駅からサザンビーチまでは、洪水も土砂崩れも危険性が低いです。
西側が浸水範囲になっていますが、ちなみに電車が運休になったのはここよりも西の小田原です。一つ情報としてアップします。小田原方面に帰宅する方々は困りますが、多くの方は回避するなり、別ルートを確保することが可能です。
中止派の方々は、土砂災害警戒情報しか見ておらず、該当する箇所がイベントに関係しているかいないかを確認していません。
海岸区域の幹線道路及び茅ヶ崎駅への経路において冠水の想定も危険も事実もない。冠水したのが治水の十分でない生活区域の道路だとすれば、雨中での開催によって当該住民にもたらされた危険ではない。
— who may be (@whomaybe) 2024年9月2日
警報は主に土砂災害に対するものであり、海岸区域へのものではない。
実際に当日、駅からサザンビーチにつながる道、その両側の道も通りましたが、冠水はありませんでしたし、冠水になるんじゃないかという雨自体が降っていませんでした。もし冠水しているのであれば、ハザードマップのとおり、相模川の近くや浸水予想地区じゃないでしょうか。
その3 計画運休は設定されていない
前日も関東は台風の暴風圏内ではない。
— who may be (@whomaybe) 2024年9月2日
設営は主催と設営業者との話で、そこに合意があれば第三者には無関係。
関東で鉄道の計画運休はない。
計画段階で予定想定した以上の交通の乱れを引き起こしてもいないし、迷惑も掛かっていない。
実際に計画運休はありませんでした。
ただし、現地の昼0時には相模線は厚木と橋本で運休。つまり、海老名から茅ヶ崎には移動できませんでした。ちなみに、14時には確認しながら運行に変わっていましたが、海老名から茅ヶ崎まで、到着するまでに1時間ちょっとかかるとのことで、私は大和→藤沢→茅ヶ崎ルートを使いました。
大和から藤沢間は確認作業をしながらの運行だったため、海老名から茅ヶ崎まで1時間だったところ、1時間30分ほどかかりました。
鉄道会社が計画運休をするほどの危険度とは考えておらず、今のご時世でこの判断が取られたということは、安全が担保されていたと考えるのが妥当です。
もちろん、混んではいましたが、東京のぎゅうぎゅう詰めの満員電車状態にもなっていませんでしたので、現地の方々の移動を妨げるようなこともありませんでしたし、イベントがあればある程度の混雑は当然でしょう。
8月30日8時18分 配信
— JR東日本【東海道方面】運行情報 (公式) (@JRE_F_Tokaido) 2024年8月29日
相模線:『遅延』
相模線は、大雨の影響で、厚木〜橋本駅間の上下線の一部列車に遅れと運休がでています。 #相模線 #Sagami_Line https://t.co/LojididwyV
ファンの何が危険かわからない。帰宅問題の話であれば、茅ヶ崎駅までの経路は安全が確保されてあり、そこから先はJRと観客(利用客)の問題で、JRは関東以東への茅ヶ崎駅からの運行/人員輸送に許容できない危険が生じるとは考えていない。
— who may be (@whomaybe) 2024年9月2日
aikoのアロハ、今朝の時点でもまだ集合時間に大雨警報出てる可能性高そうだし、波浪注意報もずーーっと出続ける可能性あるのにビーチでのライブを強行するのはさすがにあかんやろ、、https://t.co/DWHyBzkLmc pic.twitter.com/p2s2PgQiuW
— ゆ@すてきな35才(になりたい) (@stardustsunset_) 2024年8月29日
先に書きましたが、茅ヶ崎駅とサザンビーチまでの道路は、昼0時、16時、帰りの20時でも同じでした。0時時点では一時雨が降っていました。大雨警報、洪水警報、雷注意報が出ていましたが、警報は18時に注意報に変わる予定でしたが、実際には洪水警報だけ注意報に変わり、大雨警報は残りました。それでも雨は降らず、ライブは開催されました。ライブ中は雨が降りましたが、帰りも雨はやみ、道路は問題なし。電車も小田原側が運休になりましたが、東海道本線の東側は通常運行、運休していた相模線も減速しながら走行。大和と藤沢の小田急江ノ島線も運行。
結果論で語るつもりはなく、運航していること、天候と天気予報から、ライブの後に運休することも考えられず、危険性や観客の帰宅困難も考えられません。
ビーチの危険性についても、全く存在しませんでした。現地を知っている人なら、危険性についてはないと断定できるでしょう。
警報がずーっと出続ける可能性というより、注意報に変わる可能性が出ている状況です。それこそ、結果論として、大雨警報が残りました、とするのが妥当でしょう。
駅員も警察消防も職務の範囲での負荷であり、計画段階で予定想定した以上の負荷は生じない。
— who may be (@whomaybe) 2024年9月2日
例年の動員数及び当日茅ヶ崎駅の降車数から想定された人数を上回ることはない。
実際に何も起きておらず、後援である茅ヶ崎市役所から苦情が出ているわけでもなく、今回は熱中症による救急車も出てないんじゃないでしょうか。従来の開催と比べて、むしろ、仕事は減ってるんじゃないでしょうか。
わたしは気づいていませんでしたが、動員人数が過去の人数を超えるかどうかは、遠くから来れなくなって減ると考える分と、コナン効果などで増えた分と、どっちが多かったんでしょうね。
ちなみに、別の方で駅前が混雑していたというツイートを見かけましたが、混雑の度が過ぎて動けないようなこともありませんでしたし、階段の上下も警備員が配置されて制御されていました。イベントが起きればどこの駅でも混雑しますから、ここだけ指摘するのは筋違いです。
スタッフの帰宅問題は主催内部の話で、そこに合意があれば第三者には無関係。
— who may be (@whomaybe) 2024年9月2日
車で来ている方が多いんでしょうけど、無理なら現地に向かわないし、行けるように考えるのが仕事です。ここに書かれている通り、仕事として正規に契約が成り立っているなら、部外者が何かを言う筋合いはありません。
aikoのファンだからとか関係なく、「進路速度予想で暴風圏に入る見込みもなく、山や川のような豪雨による災害避難が生じ得ない場所」を、個人の基準で危険だって断じちゃうと話にならんよ。役所も警察も消防も交通機関も近隣商店も現地住人も、中止/避難する程の危険はないって判断だったんだから。
— who may be (@whomaybe) 2024年9月2日
実はこの件、私は9月1日に茅ヶ崎市役所に問い合わせをしました。
ライブに対する気象の心配などの電話、メールは、9月2日に回答をいただき、十数件だったそうです。茅ヶ崎市民かその他の方かは不明ですが、24万人の茅ヶ崎市民、3万人を超える観覧者に対して、極めて少ない数です。さらに、参加しなかった人から連絡が入った、なんてことになれば、さらに大きな母数を相手にすることになりますから、度合いは極めて低いということになります。
この数に対して、地元住民から危険性について指摘が来ている、中止しなければならないと判断するのはおかしいでしょう。
中止しなければならない派の意見
これからもAloha含めライブをやってほしい。だからこそ今回は中止にしてほしい。この状況でフリーライブを強行することへの批判で、aikoの活動自体に影響が出ることが何よりも心配。これからツアーも控えてる。何かあった時の批判でaikoが心を痛めてる姿なんて見たくないよ…
— さみぃ@7y+3m 姉妹👭✨の母 (@sammy_neco84) 2024年8月30日
強行、という言葉を使われていますが、イベントを強行するなんてありえないし、aiko本人もその意図をファンクラブ内で公表しています。
これがaikoファンの鑑かな。
— 🐦️いろは🕊️ (@kibikodama) 2024年8月31日
気象のプロ達にも予想が難しい天災の中、万が一が起きなかったのは都合のいい結果論でしかないです。地域住民や近隣地域の安全確保をすべきだった。それをしなかった時点で擁護のしようがない。人命より優先すべき事などありませんし、黙れと言われる筋合いもないです。 https://t.co/9QWCbkdTz8
ライブが無事に終わったことで、結果論という一言で片づけようとする中止派のツイートをいくつか見かけました。
上記の通り、色々なことを検討していて、開催かどうかを真っ当に検討してれば、開催は結果論でセーフだった、なんて人は誰もいないと思います。中止を決め込んでいる人のほうが、過去のaikoさんの大阪のライブの台風による中止の実績から、中止ありきで語られているんではないでしょうか。
地域住民や近隣地域の安全確保は、具体的に何をすべきだったんでしょうか?イベントを中止したことで、どんな安全確保ができるんでしょうか?
逆に、イベント開催により、誰の人命が危険にさらされたのでしょうか?
唯一気になるのは、車で移動してきた方です。崖崩れルートなどでに偶然当たったりすればですが、そういったことまで主催者に責任を持たせるのは論外です。
当然、完遂しているところに入っていくような人も論外です。
はじめまして!
— おすし (@sukidatteba) 2024年9月2日
丁寧にリプありがとうございます🙇♀️
書ききれない部分は画像にしてつけました。
また、全国的に被害がでていて交通機関がマヒしている中、すぐ隣町で冠水してる中で多くの人が移動したことも危険です。
ファンやaikoだけの問題じゃなく、間接的に命を危険にさらす可能性があります、、 pic.twitter.com/0sCbzBLtmy
Whomaybeさんはこれに全てお答えしています。おすしさんのこのツイートは全くの的外れです。
その別の場所での被害や危険や不便や困窮は、alohaを開催しても中止しても変わらないんですよ。
— who may be (@whomaybe) 2024年9月2日
aikoを攻撃したいんじゃなくて、
— おすし (@sukidatteba) 2024年9月2日
安全を優先しようよ人の命が関わっているんだよ、っていうシンプルなことがなぜか伝わらない。
盲目的になんでも肯定することが愛なの?
わたしは、事故が起きたり死者がでることや
二度とあの場所でaikoが歌えなくなるほうが悲しい。
Whomaybeさんが色々説明している通り、開催に同意している人は盲目的な判断をしていません。各種データや気象状況、運行計画や運行状況に基づいて判断をしています。
対して、中止必須だったという人たちは、周辺地域の被害を根拠に、安全を確認している災害と無関係なサザンビーチでのイベントの中止を訴える構図です。
危険性の低い状況であるにも関わらず、事故が起きる、死者が出ると、過剰に危険をあおる行為は、極めて悪質です。
Whomaybeさんが書かれていますが、
あなたのリスク許容度が限りなく低いのは勝手だけど、それはあなたの中でだけ通用する線引きなんだから、他人に振り翳しちゃ駄目よ。
中止派の人のリスク許容度が低いというのもあるのですが、中止派の人たちは、最初から判断材料を正しく読み取れてない、使えていないのが残念です。
上記の通り、事前の状況で安全を確保できると判断して開催が決定された、と考えるのが妥当でしょう。
とりあえずJR見合わせや高速通行止や台風でも警報でも危険を犯してまでもaikoのライブはあるから参戦せなあかんな。。
— 翔大☆ (@setusyou22) 2024年9月1日
そういう前提ができてしまった。
— やまださん🤘🤘 (@yaya_madada) 2024年9月1日
aikoがその前提を作ってしまった!あとは行政 茅ヶ崎市に矛先が向けられると困るけど、、
— 翔大☆ (@setusyou22) 2024年9月1日
なんて人もいます。こういう、誤った情報を流すことを残念に思います。
決して、「悪天候で中止する条件なのに、無理に強行した」、ではなく、「安全が担保されたから開催した」だけで、現場は粛々と進められていたことでしょう。
こういう嘘のレッテルを勝手に貼って、Twitterという公共の場で発信し、関係者に迷惑をかけている方が、その事を自覚される時期が来ることをお祈りしています。
bokeboke