スプラトゥーン3ですが、2022年9月の発売時から、ラグが多く発生していると認識されていました。
さらに、2023年7月からは、より大きなラグ、より多くのラグが発生しています。
今回は、ラグの優位性について、素人レベルで解説です。
なお、同期ズレ、という言葉がネットで多用されていますが、同期ズレとは、絶対時刻に対して行われる同期の処理の頻度が不十分でズレたり、同期自体が正確に行われない物です。
スプラトゥーン3は、スタート時以外は同期されていないはず(システム上、全員のSwitchからデータを全員に送信したら終わり)なので、同期はされていないハズです。もちろん、送信データに時刻データが乗っていればリアルタイムに同期するように調整は可能で、遅れすぎたデータは捨てられるはずですが、イカの動きから考えると、そうはなっていません。データは全て処理され、間に合わなかったものは、処理に余裕ができたら処理されているように見えます。
よって、全員のタイミングを合わせる意味での同期は行われていない前提として話を進めます。
ラグの大きな原因の種類
ラグの原因種類は、二つです。
ハードウェアの処理遅れ
Switchは、現行機としてはかなり控えめな性能です。スプラトゥーン2よりも多彩な機能を満載したからか、処理が遅れてるのではないか?という点です。ラグ、は遅延ですが、ハードウェアの処理に時間がかかりすぎた遅延かな?という気がします。
Switchは、NVIDIAのハードウェアを使っていますが、高画質化、負荷の低減に使われている技術としてAMDのFRS1.0が使われています。2023年、バージョンは進化していますが、Switchは1.0をサポートしています。
キャラの動きを増やしたり、インクの表現が豊かになっても、FRSで対処できると思ったにも関わらず、残念ながら、スタート前の上空からの映像ではよくカクカクしています。
だから、元々、Switchの性能が不足していることが明確です。ソフトウェアが重すぎです。
色んなデータが到着しても、画像を処理しきれなくて、ハードウェア上でデータが飛んでる可能性もあります。カクカクしている場合、たいていは処理が少なくなったときに一気に処理され、本来の時刻に間に合うように早送りのように見えるか、データが遅れすぎたらあとから来たデータを上書きするはずです。
現状、正確な処理方法は分かりませが、ハードウェアの能力不足によるラグは、全員の動きが露骨に止まるので、バトルの中でのラグとは別物と考えるべきです。
通信の遅れ、データの欠落
データの遅れといっても、種類があります。
データの送信頻度はスプラトゥーン1から減少して、15回だそうです。スプラトゥーン2は16回。データが少ないことから、データが不足してリアルタイムでの処理が飛び飛びになります。
一番の問題は、無線か有線か?です。
インターネットとの接続が全て高速有線接続であれば、問題ありません。ただし、以前、通信がまともにできなくなったNUROのような通信不良がないことが前提です。
そして、問題になるのが、無線による通信です。
無線といっても、確認する部分として、2つに分けられます。
一つが、家の中の無線。いわゆるWi-Fiです。
Switchは、Wi-Fiの規格が古く、遅く、混雑に弱いなど、根本的に通信の安定性、高速性に問題があります。つまり、問題が出やすい事になります。もちろん、ちゃんと通信していれば問題ありませんが、遅延は有線より多いので、ラグの原因になります。
もう一つが、家のルーターから携帯会社の基地局までの通信です。ここが無線のタイプは、次に書く物です。
- ソフトバンクAir、ドコモホーム5G、ホールルータープラン5Gといった、コンセントに差すだけで使えるモバイルルーター
- モバイルルーター(小さな箱タイプで持ち運びができるタイプ)
- スマホやガラホなどでのテザリング
上記の機器は、そこから携帯会社の基地局までが無線であるため、無線の状態に左右されます。
特に、4Gや、5Gの中でも4Gベースの5Gでの電波を使った通信では、大きな遅延が前提になります。5Gは全ての種類が低遅延、高速というわけではないため、要注意です。
2023年現在、5Gかつ低遅延が可能な電波は限られているようですので、現実的には4G、4Gベースの5G通信なため、遅延が大きく出ても当然です。
Wi-Fiがちゃんと通信してるから安全!
とか
うちは有線!と言いながらも、ホールルーターを使っていれば、大きな遅延が出ても当然です。
ラグの発生原因になるハードウェアの技術に関する問題を大まかに書いたところで、実戦でのラグについて説明します。
イラストは、ACイラストを利用しました。
ラグの種類
スプラトゥーン3での直接のバトルで一般的に語られているラグを発生をさせる原因は、二つあります。それ以外のラグもあるので、それは後半に説明します。
ラグ持ちのデータ送信が遅延、低速でデータ抜けなのに、相手のデータはちゃんと受信
ラグを持ってる人のデータが他の7人に到達するのが遅れる、データが時々届かなくて飛び飛びになる。
これが起きると、ラグ持ちの対戦相手は圧倒的不利になります。
例1
正面衝突しそうなシーン。
ラグ持ちは、相手からのデータをリアルタイムで受信していますが、自分の位置データは後ろに置いてきてます。
ジャンプした着地時
つまり、無線側は、圧倒的に先行してメイン攻撃ができるため、圧倒的に有利です。
メイン攻撃は攻撃側に判定があるため、ラグ持ちが相手を倒してしまえば、相手側は攻撃を仕掛ける前に倒されたり、攻撃を開始した時には倒す前にデスします。
実際のプレイでの見た目で言えば、攻撃判定(攻撃を当てられている音)さえ遅れてくる事が多いです。
デスする→敵インクが飛んでくる→イカが攻撃モーション
といった、イレギュラーな動きです。
なぜか分かりませんが、ラグ持ちがキルした判定が先に処理されるため、相手側は攻撃の機会され奪われます。相打ちの機会さえなくなります。
恐らくですが、スプラトゥーン1と2の時は、多少のラグがあっても、相打ちの時間が確保されるため、キチンと向き合えれば対等に戦い、エリア中央での均衡が楽しめます。
しかし、3になってからは、とにかくラグを持っていれば、イカニンジャ以上のイカニンジャ(事実上、射程が伸びている+先に攻撃開始できる)が発生しているので、待っていても対抗が難しくなります。
また、データが飛び飛びになるため、瞬間移動を繰り返します。イカは存在し続けますが、超高速移動なので、攻撃を当てるのは困難です。
一番やっかいなのは、見えない細切れのワープです。
バトル中に瞬間移動を細かく繰り返されると、飛沫も発生せずイカニンジャ状態で瞬間移動し、エイムが間に合わず、最終的にこちらがデスします。
ボールドマーカーとイカニンジャとイカ速度フルを合わせた動きを他の軽量武器がやってる事になります。本来は持ってない長所を持っていることになり、相手はこれを捕まえられなくなります。
例2
ジェットパックやスーパージャンプ位置と着地が大きくズレて、狩れないパターン。
着地位置は表示されますし、ゲージが減るので着地タイミングは分かります。
だから、目の前で密着してメインを打ち込みます。
ところが、着地した位置は、イカ3人分ほどズレた位置で、逆にこちらが狩られる側になります。
もちろん、着地時に転がる受け身や、マニューバではないです。
こういったデータのズレが発生するのは、恐らくですが、移動中にジェットパックに飛び出し、ラグによって、わずかな移動分のズレた位置を他の7台に送信し、本当の位置とズレていて、着地時にマークと違うところに着地すると考えられます。
こういった点でも、システムを無視した有利な点が発生するため、ラグ持ちが有利になります。
例3
アーマーを纏う、ナイスダマ。最強の防御、グレートバリア。
敵がいないところで発動させているにもか変わらず、敵からは発動前に見えているため、発動直前にダメージを与えることが可能、さらに、アーマーを纏っていても、削られることで、アーマーが有効な間であっても、対等な状況で射程が届くわけではなく、攻撃側がアーマーを纏うのを見てからでも、すぐにメインで攻撃ができるため、より早くデスまで到達します。
これも、ラグ持ち側に有利に働きます。
ラグ持ちがデータを受信しないタイプ
ラグ持ちがデータを受信しない場合、デスしてもしばらくは自由に動けるため、その間にキルすれば、相手側は手も足も出ません。
発生しないはずのキルや塗りを発生させる事ができ、スペシャルを多く残してデスできる可能性があるため、これも圧倒的に有利です。
さらに、有名なチャージャーの壁抜きがあります。
攻撃される側が壁の裏で左右に動きます。
その情報がチャージ側に到達しても、情報が遅れて到達するため、チャージャー側では予測移動になり、攻撃される側が壁からはみ出していないのに、イカがはみ出す時間が発生します。チャージャーは、この瞬間に打ち抜くため、やられた側では壁の裏でやられた事になります。これにより、ラグ持ちのチャージャー側は圧倒的に有利になります。
スペシャル、インク、ボムのワープ
ネットで、ボムのワープはあり得ないとしていた方がいらっしゃいましたが、ボムのワープは発生しています。
恐らくですが、ボムの動きは投げた位置、速度、立体の角度が送信され、受信した側がその処理を表示しているハズです。
このため、ボムは基本的に攻撃された側の判定となり、スプラッシュボムをはじめとする爆発系は、攻撃した側では直撃していても、攻撃された側で逃げ切れるように、爆発までの時間が設定されていると考えられます。
ラグの効果が一番分かりやすいのが、カーリングボムです。
カーリングボムだけ一人で滑ってきて、突然爆発。あとからインクが塗られます。
他には、トーピード。
恐らくですが、全てが攻撃された側判定ではなく、敵をロックした時にトーピードの位置の管理が受け側に切り替わるのか、ロック後にワープします。
また、スプラッシュボムも、空中に投げた瞬間を見たにも関わらず、着地直後に爆発するラグです。本来はボムが着地後にチャージしてから爆発しますが、チャージ無しで爆発して床のインク塗りだけが発生しています。床を塗られて足を取られて動けなくなり、あとから爆発が発生。逃げられずにデスします。
他にも、スペシャルであるホップソナー。
置いた瞬間に段差に置かれると、位置の判定が修正されるのか、空に飛んでいくことがあります。間違いかとあっけにとられていると、輪がやってきてしまいます。
インク塗りのラグ
床や壁のインクですが、講師頻度が低いことがあります。インクの管理をサーバーで行っているのか、誰かのSwitchで行っているのか?
サーバーは関与していないとのことなので、8人のうちの誰かのSwitchで管理していることになります。
そのSwitchが他の人のデータを十分に受信しない場合、その人のデータだけが100%反映され、ガチエリアだと他の人のインクが100%は反映されない、例えば80%だけ反映されることになり、管理担当+ラグ持ちだと、圧倒的に有利になります。
良くありますが、ガチエリアをほぼ100%塗れているのに、自チームに切り替わらないパターン。
これは、どれだけ塗っても、ラグ持ちのガチエリアのカウント担当のデータ上では塗られていないことになっていて、カウントが上がっていない可能性を示します。
逆に、ほぼこちらのインクなのに、相手が塗り出した瞬間に塗り返されるパターン。
これは、こちらが塗ってもカウントが上がらないため、ラグ持ちが塗った瞬間にカウントがラグ持ち側に増え、すぐに切り替わることになると予想します。
また、カーリングボムの塗りの遅れにより、ボールドマーカーがこちらのインクの中を高速移動してくるこどあります。カーリングボムに限らず、ラグ持ちのインクはラグ持ちのインクが塗られていて自由に動ける。でも、対戦相手は自分のインクに塗っているため、ここにはいない、クリアリングされていると判断します。しかし、それを無視して移動できるため、単なるラグによる鉢合わせ時の、自分のデータは後ろに置いてきた、と同じ悪質さの先制攻撃が可能になります。
スプラトゥーンシリーズの醍醐味、
床と壁をインクで塗って戦う
という大前提が崩れています。
このように、ラグによって、その、ガチマッチ、バンカラマッチ自体の有利不利が大きく左右されます。
有利不利の確率
プレイヤーは8人。
味方は3人。
敵は4人。
自分が、光接続と有線LANで真っ当な通信をしていた場合。
他の人の人数が少ないと、ラグ持ちが存在する確率は同じなので、期待値として敵にラグ持ちが多く、圧倒的に不利になります。
このように、ラグ持ちは圧倒的に有利なんです。
最後に
スプラトゥーン3は、ラグ持ちと対戦すると、システム的に崩壊しています。ラグについて、任天堂に報告をするシステムがあるので報告し、サポートにも問い合わせしましたが、何も改善されていません。
スプラトゥーン3のシステムは、アマゾンからグーグルに変更されたことが公表されています。プレイ中には関与しないとのことですが、残念ながら、事実かを確認する方法はありません。
新しいシステムになったことにより、スプラトゥーン2までは参加できなかった、回線状況が悪いSwitchも任天堂のシステムを経由して参加できるようになったそうです。通信自体は速度十分で行われていることが日経で観測されていましたが、とはいえ接続しているSwitchがラグ持ちだとしたら、たまたま良い端末だっただけ、という可能性も否定できません。
あらゆる問題が発生しているスプラトゥーン3。
広告の中でさえ、ラグが頻発している異常事態ですが、任天堂はそれを許容しています。
スプラトゥーン4のことを考えると、今のうちに全面改修をすべきだと思います。
bokeboke