該当のツイートはこちら。
誰も言わないから書いた。
— 藤沢篤(ふじさわ) (@fujisawatsushi) 2016年3月27日
■「DMMモバイルは速度が速い」とか「IIJmioの速度が遅くなった」とか、意味無いですから。https://t.co/AFDNhr6zWc pic.twitter.com/vhaGZbP1Q3
さて、どういう間違いなんでしょう?素人なりに考察です。
図が紛らわしい
最初に、とっても素晴らしい図の紹介です。
mineoさんのサイトに、MVNOのとても分かりやすい説明サイトがあります。
こちらが、mineoさんでの経路です。たぶん、他のほとんどのMVNOさんはこれなんじゃないでしょうか。
MVNOの場合、auネットワークのSGWを通過してmineoネットワークのPGWを通過して、社内を通ってインターネット網に出るわけです。
au契約の場合、ボトルネック(通信速度が一番遅い部分や経路が細い部分)がスマホと無線基地局になってる、と考えるのが妥当です。もちろん、第三者機関の計測で時間別の速度の低下はありますけど、それでもそこそこのスピードが出ます。
つまり、藤沢さんが使ってる図はまずいと思います。
その図のイメージはこちら。

太い道路をauが管理。その一部をMVNOが間借りしてるけど、人が多すぎて混み合う、という図です。(ちなみに、この図を使う手法は、データ通信が増え始めた頃に、帯域が広くなりました!(データを同時にたくさん送れるかどうかの意味合い)という広告用に使われていたような気がします。)
素人のために分かりやすい図を使った、とか、そういう言い訳では通じない、不適切な図だと感じます。簡単な図で書き直すと、こんな感じでしょうか。

速度の概念を無視?
mineoさんがデータを公開しています。
IIJmioさん
mineoさん
つまり、遅くなってるMVNOさんが遅くなることを認めているのに、一人のユーザーさんが保証して、もう意味不明です。
しかし、格安スマホ利用者は「そうは思わない」と回答してます。
これはつまり、格安スマホは大手キャリアと変わらない速度が出るし、インターネットにつながらないこともない、ということなのです。
格安スマホ利用者は、通信速度は遅いと思っているかいないか、がマイナス0.3くらいですが、思っていないの方に振れている、が正確です。
なのに、遅いとは思ってない=大手キャリアと変わらない速度が出る、という、飛躍してるどころか、全くつながらない結びつけをしています。
もちろん、MVNOは大手キャリアの速度は出ません。出るとすれば、再販型だけじゃないでしょうか。たぶん。
僕も1年間格安スマホを使いましたし、多くの格安スマホユーザーの話も聞きましたが、ただのひとりも(ほんとに!)、「速度が遅くなった」とは言っていません。
じゃ、わたしがその一人目に。
MVNOを使い始めてもうすぐ2年ですが、2年前にIIJmioを使い始めたころはそこそこ使えてましたが、数ヶ月で速度低下。
UQmobileは会社の合併?でシステムが変更されて遅くなりましたよ。
のです。僕が保証しますし、MMD総研のデータでもその通りの結果が出てます。
どこにあるんでしょう?提示して欲しいですね。
そして、何を保証してくれるんでしょう?
「おれは速度が遅くなることがある」とか、「ネット上に書いてあるぞ」と言われますが、それはその通りです。遅くなることだってあります。
けどそれは、人混みの繁華街とか、利用者が多いとか、昼休みとか通勤時間の話です。
これらの時間帯は、大手キャリアだろうと格安スマホだろうと、速度は落ちます。同じように落ちて、同じように復活します。
一日の中でのスピードの上下は、藤沢さんの中では速くなった、遅くなった、の範囲に入らないそうです。大手もだから、だそうです。
また、同じようにとは?どれくらい?どんな風に?疑問です。
もし、一日の中の速度差は無関係というなら、藤沢さんの文章が紛らわしすぎます。
なぜなら、大手キャリアは格安スマホとは比べものにならないくらい大量の回線を保有してますが、格安スマホとは比べものにならないほど大量のユーザーが利用してます。格安スマホは大手キャリアと比べればほんのちょびっとの回線ですが、ユーザーもちょびっと。
回線の能力÷契約数や利用者数、どこにあるのでしょう?わたしは素人なので勝手な想像で言ってますけど、これ、感覚論でしょうか?
どこの会社だって、過剰に回線を増強したりしないし、速度が遅いとすぐに増強します。
こうして、日本のスマートフォン事情は、「大手キャリアを使おうが、格安スマホを使おうが、速度は変わらない」という結論になります。もちろんみんながLTE回線だとしてね。
増強しないんですか?するんですか?
速度は変わるんですか?変わらないんですか?
紛らわしいです。
これ、もしかして、各会社の速度は長期的に見ると変化しない、という意味ですか?
この書き方だと、大手の速度=MVNOの速度、ですよね。
長期的に見ても、IIJmioが速度を落としたり、UQmobileが会社の事情からか速度を落としたり、わたしが経験しただけでも2年で2回、うち1回は間違いなくIIJmioさんが設備の増強不足で長期的に速度を落としてます。
「IIJmioの速度が遅くなった」とか、意味無いですから。
意味はあるって、藤沢さんが書いてるんですよね。
ということなので、ネット上で「ここは速い」と見かけたから、そこのサービスと契約するのは、安易すぎます。
その情報が1ヶ月以内とかなら信憑性はありますが、そうして速度の速いサービスを契約しても、数ヶ月から半年もすると、普通の速度か、普通より遅いくらいにまでなります。
その数ヶ月だけ速い速度を味わうために移動し続けるのは別に構わないんですが、明らかに労力の無駄遣いです。
ね。遅くなるって。
結局、どうせ大元は同じなんだから、「どこのサービスだって、速度は似たようなもんだ」と構えておくスタイルを、僕はオススメしてます。
大事な発言です。
大元は同じだから
です。
サービスは違うし、速度も似たようなものじゃないです。
この、サービス、も、企業って意味?サポートって意味?紛らわしいです。
そして、大手は速い。MVNOはほとんど遅いです。
藤沢さんが、言い逃れのために1ヶ月なら信憑性あり、としてるのかもで反論されるかもですが、藤沢さんがお好きかも?な、2015年10月発表のデータをご覧ください。
ダウンロードの平均値でさえ、MVNOは速くても本家の6割くらいしか出ていません。
遅くはない、という調査結果は、MVNOは価格が半額だからその割には速い→思っていたよりは遅くない、が正解じゃないでしょうか?
さいごに
藤沢さんが訂正すべきは、
- 5W1Hを明確にして書き直す
- 速度の速い、遅いの変動の期間明確にする(1日の変動は許すのか、1年の変動は許さないのか)
- 速度の変化の許容範囲を明確にして書き直す(変動は完全に無視するのか)
- SIM通さんの例はMVNOの実情に合ってないし、この画像だけ抜き出して流用するのは不適切なので、自作してアップし直す
- 大手とMVNOの速度差は明らかなので、訂正する。意味が違うなら、誤解がないように書き直す。
でしょうか?
識者の方々に添削していただけると幸いです。
追記
なるほど。こちらのご意見を書いてるわけですね。
併せて、わたしの希望です。
以前のUQmobileのように、au本家と同じようなスピードで、サポートはなし、速度の切り替えも、いろんな機能もなしで、MVNOの一般的な価格、例えば、3GBで1000円とか、そういうのを希望してます。
でも、速度の概念がないというか、無視すべきというか、そういう考え方の方とは会話は成立しなさそうですね。
bokeboke