【物理】ブルースリーのワンインチパンチの仕組み
寸經とも呼ばれる、相手から1インチ、約3センチしか離れていないのところから放たれたパンチが人を倒してしまうという、すごい!とされるパンチ。
今回のこの記事により、いくつかのサイトで語られるような、
達人だからできるのだ!
というようなことがないとお分かりいただけると思います。
Bruce Lee 1inch punch rare fighting video
ワンインチパンチ解説サイトをご紹介
物理的な原理
それでは、わたしのサイトでは物理として解説します。
よく、スピードや体重、体全体をうまく使う!っで語られますが、話はもっと簡単です。
押し倒す
これがキーワードです。
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設定
パンチをする人が170cm60kg(ブルース・リーを参考にしました)
パンチされる人が180cm80kg
とします。大きな大人を倒す、がインパクトがあるショーとして記憶に残っているわけですからね。
パンチする人のパンチの高さは、身長から頭1つ分下なので、170-25=145とします。
その他、以下のとおり。
180cmの足 サイズは26cm
体の厚み 26cm
重心位置 90cm
つまり、
高さ145cm、奥行き26cm、重心90cmの箱を押し倒せるか?
という問題になります。
押す力は足りているか?
高さ90、奥行き26、この場合、重心が箱の外に出るには13cmの移動が必要。
ということで、こちらの図が結果ですw
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高さ145cmでパンチで押す場合、わずか3.5kgで重心を足からはみ出させる=人を倒すことができることが分かります。
押す側の力は、横向きですが14.8kg。
角度を上向きにしないといけませんけど、角度が浅いので3.5kgに対しては十分だろう、ってことでOKにします。
ひざカックンのエネルギー
倒される人が坂道を上るとエネルギー
パンチする人のひざカックンのエネルギー
ひざカックンの方が大きければ、坂道を上りきる、つまり押して重心を足の大きさからはみ出させてバランスを失わせるのこのさとができます。
こちらも先ほどの図をご覧下さい。
倒される側に必要なエネルギーが7.44(J)。
倒す側が生み出すエネルギーが24.6(J)。
つまり、余裕です。
更なるだめ押し(保険?)
動画を見ると、ブルース・リーは、もう重心が外れた相手に対し、さらに相手を腕を使って押し込んでます。保険、または派手に倒れてもらうためのおまけでしょう。
タイムスケジュールを書くと分かりやすいと思います。
1.ひざの力を抜いて、そのまま体を落とすように、ひざを落とす。
2.ひざを落とすことで体が落ちる。
3.体は斜め(前+下)に落ちるので、横向きにもスピードが出る。
4.ゲンコツを相手の胸に当てて、無駄なくキチンと伝えて押す。
5.保険として、腕で押す。
これは案外簡単です。膝を、カクッ!!!ってさせて、拳で相手に寄りかかるだけ。あとは相手が勝手に転びます。
ただし、条件が付きます。
『相手がよけないこと』
です。受け身になって押されてのけぞったり、足を動かして踏ん張ったりしてバランスを取ったら押し倒せません。
これには対策がされてて、
胸=肋骨の真ん中を押す。
つまり、体がパンチから逃げられない部分を押して、強制的に押し倒してるということです。おでこを押しても首とのけぞりで吸収、お腹を押しても腰を引かれて全身を使って吸収、じゃ、どこを押す?ってことで胸。重心より上なので小さな力で動かせる上に、背骨と膝でのけぞるだけだと重心はやはり足からはみ出て飛ばされざるをえません。
ということで、概算ですけど、ワンインチパンチの科学的考察(雑)でした。
ということで、物理的な簡単なテクニックだけではなく、相手を硬直させるテクニックも必要かな?って思いました。
ブルースリーは、そういう相手の硬直のタイミングを作り出したり、見抜いていたりしたのかもしれませんね。
bokeboke
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