【ハンコン】ステアリングの本質、パワーと
iRacingで使用しているG29ですが、ハンコンには各種性能のがあります。
その中で一番分かりやすいのが、トルクです。
ところが、本当に重要なのはパワー=消費電力なんです。
トルク
トルクとは、ハンドル部分で発生する最大の力です。厳密には、力×中心からの距離で、モーメントという物理名です。
パワー=消費電力
どれくらいの力で、どれくらいの回転スピードを出せるか、がパワーです。
各社の仕様
各社のトルク一覧表は以下の通りです。
メーカー/型式 | 最大トルク | パワー=消費電力 |
---|---|---|
SIMUCUBE 2 Ultimate |
32 Nm | 1000 W |
SIMUCUBE 2 Pro |
25 Nm | R2 1 x 450 W Peak |
SIMUCUBE 2 Sport |
17 Nm | |
Fanatec DD2 | 25 Nm | 不明 |
Fanatec DD1 | 20 Nm | 480 W |
Fanatec CSL DD | 5 Nm / 8 Nm | 90W / 180W |
Trastmaster T500 |
0.15 Nm(モーター) 4.4 Nm |
140 W(ACアダプタ) 65W(モーター) 3000rpm |
Trastmaster T300 | 3.9N | 不明 |
Logicool G29 | 2.1 Nm | 45W |
トルクは、電×磁=力、つまり、モーター本来の能力(流せる電流であり、結果として力=トルク)で上限が決まります。各トルクは、想像だけどモーターそのものの瞬間的な最大値、その他にも基礎能力として一段階低い能力が書かれたものがあります。そういったものは瞬間的には最大値が出るけど、ずっと使い続けた場合は通常値になる、ということです。
そして、消費電力=パワーです。
SIMUCUBEに書かれていますが、ちょっと意味が分からないスルーレート。
ミリ秒なのか、/m/sなのか?
1ミリ秒当たりとは取れないと思うので、たぶん1秒当たり9.5Nmだと思います。できればどなたかに説明してほしいです。
消費電力とトルクは正比例の方向です。トルクが上がればパワーは上がります。それは、パワーがあるからスピードが同じであればトルクがアップするし、パワーがあるからゆっくり回せばトルクが上がります。
物理を勉強していた人なら分かりやすい話だと思いますが、トルクが100万Nm出る性能があっても、パワーが10Wであれば、ハンコンは機能しません。とんでもなく大きなモーターに小さな消費電力を与えても、モーターの質量が小さくても、消費電力が小さくてハンドルが動きません。トルク自体が発生しません。パワーがあってのトルクです。
トルク信者の方々は物理(エネルギーとギア比)を知らない方か、 トルクがあるように語ることでパワーがあるといいたいけど従来から使われているトルクという言葉(実際は加速度や、タイヤがスピンしやすい状況)を使わざるを得ない世間の間違った知識が広がったことによる制限だと思います。
実際に計算してみる
話が長くなりましたが、計算してみます。
SIMUCUBE 2 Ultimate
32Nm、1000Wの場合、どれくらいの回転加速度になるのか?
そのまま、1000=32×ωです。
ω=約30radです。1700度。つまり、4.7回転です。
32Nmがかかった状態で1秒間で4.7回転。32Nmでハンドル半径15㎝の場合、21kgf。さらに4.7回転。もはや兵器です。
しかし、100Wしかしなければ、同じスピードで回った場合、3.2Nで、G29に近い数値になります。45Wであれば、その半分です。トルクが出ても回転しなくなります。
G29であれば、45÷2.1で20。1145度、2.1Nmであれば、3.1回転です。ハンドルが半径15センチとした場合、14N。ハンドル部分で1.4kgfですから、安全です。
ということで、パワーがなければトルクを発生させたくても発生しません。
もちろん、トルクを上げれば回転角が減ります。ゆーっくりしか回らなくなるため、レース用のハンドルとしては意味がありません。
メーカーは、ちょうどよいバランスになるように調整されていると思います。メーカーの開発者さんに感謝です。
bokeboke